この関係は、個人と企業、他の社会との関係も同じであろう。その関係を図示すると図ー2のようになる。これらの関係も前述したように相互関連しあっており、つながっている。それぞれが自己の役割をきっちり果たしてこそ秩序ある社会関係が維持される。
これらの関係の中で、個人としての人間と、人間が作った社会以外の生物や地球、自然、宇宙といった社会は、基本的には調和的秩序を維持しているし、人間との関係においても、自らの役割を果たしている。
これに対し、人間(人間集団)だけがこれらの秩序を乱しているといえる。人間のエゴが、企業のエゴが地球規模で自然や生態系を破壊し、地球全体の秩序を乱しているし、また、民族紛争や政治・経済的な軋轢を生んでいる。一方で、国内に目を転じれば、産業界や政界における食品偽装問題や政治とお金の問題等、また一般社会においても残虐な殺人事件や詐欺事件等枚挙にいとまがないほどである。
これらはすべて、自分だけがよければ、わが社だけがよければといったエゴである。がん細胞のように他の細胞といっさい協調せず、自らの利益だけを獲得すればよい、そのためには、どんな事をしてもよい、見つかりさえしなければいいという姿勢である。そのような態度は一時的には儲かっても、長い目で見ると決して良い結果にはならないように思う。昔から、「与えれば与えられ、奪えば奪われる」といわれるように、自分だけがよければいいというエゴは、「奪う」ということになり、「関係性」「つながり」を断つことになる。一時的にはうまくいったように見えるが、長い目で見ると必ずしっぺ返しがあるということを知るべきである。
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