PIとは、パーソナル・アイデンティティ(Personal Identity)のことである。アイデンティティという言葉はE.H.エリクソン(Erik Homburger
Erikson)が初めて用いた言葉で、もともと「同じであること」「同一性」という意味であったが、そこから本質、本性、主体性、独自性という意味にも使われている。「他者との比較において他者と自己を区別する自己の独自性または、単純に区別するもの」という意味である。
これは単に、他人は他人、自分は自分と区別するという意味だけの自分勝手、わがままを意味しているのではない。「他者との社会的関係の中で自分は他人と違った独自の存在であることを認めるとともに、自らの成育の過程を通じて、自分は自分という一貫した自分らしさの感覚が維持できている」状態をいうのである。(高田、丹野、渡辺著「自己形成の心理学」)
したがって、PIとは「自分らしく生きると同時に、それが周囲との関係性が維持でき、周囲を生かすことにつながる」、すなわち「自分をよりよく生かすことが他を生かし、他を生かすことがさらに自分を生かしてくれる」という相互依存、相互信頼関係をいう。換言すれば、自らの役割を十分自覚して、それをしっかり果たすために自己啓発、自己研鑚して、自らのハタラキを通して、世のため人のために役立っていこうとする考え方・生き方である。